「最近、全然上手くならない気がする」「周りはどんどん登れるようになってるのに、自分だけ足踏みしてる」——ボルダリングを始めて半年〜1年くらい経つと、こういうモヤモヤを抱える人がすごく増えてきます。実は私も、3級の壁にぶつかって3ヶ月くらい同じ課題をグルグル触っていた時期があって、ジムに行くのが正直ちょっと怖くなった時期がありました。
今回は、そんな「伸び悩み」や「周りと比べて焦ってしまう」系の疑問を6つのQ&A形式でまとめてみました。同じようなモヤモヤを抱えている人の肩の荷が少し軽くなれば嬉しいです。
そもそも"伸び悩み"は特別なことじゃない
先に結論を言ってしまうと、伸び悩みを感じる時期は、ほぼ全員が通る道です。むしろ「伸び悩みを感じるようになった」ということ自体が、自分の登りを客観的に見られるようになってきた証拠でもあります。初心者のうちは「楽しい!できた!」という感覚が強くて、できない課題があっても「まだ始めたばかりだから」で済ませられます。でも半年〜2年くらい経つと、自分の課題や周りとの差が見えるようになってくるので、モヤモヤの質が変わってくるんです。これは退化ではなく、むしろ上達の過程だと捉えてもらって大丈夫です。
【Q1】なんで自分だけ全然上手くならないんだろう…
これ、めちゃくちゃよく聞かれます。でも実際にジムのスタッフ目線で見ていると、「上手くならない」んじゃなくて「上達のスピードが一定じゃない」だけ、というケースがほとんどです。ボルダリングの上達は、右肩上がりの直線ではなく、階段状に伸びていくイメージに近いです。
具体的には、こんな感じのサイクルを繰り返します。
- 新しい級の課題がなんとなく登れるようになる(最初の階段)
- しばらく同じ級で足踏みする(停滞期)
- ある日、体の使い方のコツが"カチッ"と繋がって、急に登れる課題が増える(次の階段)
この「足踏み」の期間だけを切り取ると「全然上手くならない」と感じますが、実際は次の階段に上がるための準備期間になっていることが多いです。焦らず今の課題に向き合っていれば、その期間はちゃんと積み上がっています。
【Q2】同じ時期に始めた友達にどんどん差をつけられている気がする
一緒に始めた友達が先にグレードを上げていくと、どうしても気になりますよね。ただ、上達のペースは体格・柔軟性・それまでのスポーツ経験・ジムに通う頻度によって本当にバラバラです。例えば、体操経験がある人は体の軸を作るのが得意なので序盤の伸びが早い傾向がありますし、逆に筋力に頼れるタイプの人は、ある程度の級からムーブの精度が必要になるタイミングで一度足踏みしやすい、という傾向もあります。
比較するなら「過去の自分」とだけにするのがおすすめです。3ヶ月前の自分が今の課題を触ったらどう感じたか、を思い出してみてください。だいたいの人が「今の方が余裕を持って動けている」と気づけるはずです。
【Q3】SNSで上手い人の動画を見ると落ち込む
SNSに流れてくるのは、基本的に「できた瞬間」や「上手くいったベストテイク」です。何十回・何百回とトライして失敗している裏側は、ほとんど映りません。つまりSNSで見ている景色は、その人の実力の"ハイライトシーン"だけなんです。そこに自分の日常(できなかった瞬間も含む全部)を比べてしまうと、どうしても自分が劣っているように感じてしまいます。
もしSNSを見て苦しくなる日が増えてきたら、一時的にクライミング系のアカウントのミュート機能を使うのも全然アリです。モチベーション目的で見ていたはずのものが、逆に足を引っ張っているなら、距離を取る判断は決してネガティブなことではありません。
【Q4】停滞期っていつまで続くの?
正直に言うと、これは人によって本当にバラバラなので「◯週間で抜ける」とは言えません。ただ、停滞期を抜けるきっかけには、いくつか共通した傾向があります。
停滞期を抜けるきっかけになりやすいこと
- いつもと違うジムに行く:ホールドの形状やセット傾向が変わることで、今まで使っていなかった体の使い方に気づけることがあります。
- 自分より少し上の人の登りを観察する:同じ課題を、どこで静止して、どこで一気に動いているか、重心の位置を中心に見てみると発見が多いです。
- グレードを一旦下げて"丁寧に"登る:簡単な課題を適当に登っていないか見直すと、実は体の軸やつま先の使い方が雑になっていることに気づくケースが多いです。
- 休養を入れる:疲労が抜けないまま通い続けると、フォームが崩れたままクセづいてしまうことがあります。思い切って1週間休んでみると、体がリセットされて急に動けるようになることも珍しくありません。
停滞期は「止まっている時間」ではなく「次の階段に向けて土台を固めている時間」だと捉えると、少し気持ちが楽になるはずです。
【Q5】モチベーションが保てない時はどうすればいい?
伸び悩みが続くと、そもそもジムに行くこと自体が億劫になってくる人もいます。そんな時は、一度「グレードを上げる」という目的から離れてみるのがおすすめです。
例えば、こんな目的の持ち方に切り替えてみてください。
- 今日は「苦手な持ち方(カチ、ピンチなど)だけ」を触る日にする
- グレードは無視して、同じ課題を「一番綺麗なフォームで」登ることを目標にする
- 一緒に行く人を変えてみる、いつもと違う時間帯に行ってみる
「グレードを上げなきゃ」という気持ちが強くなりすぎると、ボルダリング自体が苦しくなってしまいます。そもそも多くの人は、楽しいからこそ続けられているはずです。たまには目的を忘れて、ただ体を動かす楽しさだけを味わう日があってもいいと思います。
まとめ:焦らなくていい理由
伸び悩みや周りとの比較による焦りは、半年〜2年目あたりの初中級者であれば、ほぼ誰もが一度は経験する感覚です。上達は階段状で、停滞期はその階段を上るための準備期間であることが多いということ、そしてSNSで見える景色は他人のハイライトシーンに過ぎないということを、ぜひ覚えておいてください。
焦って無理なトライを重ねると、ケガにつながることもあります。今日できなかった課題は、3ヶ月後の自分がきっと余裕を持って登れるようになっています。目の前の課題だけでなく、少し長い目で自分の成長を見てあげてください。