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【トレーニング】パンプで垂れない腕に!前腕持久力トレーニング「リピーター」入門

「最初の2級くらいまでは一気に登れるのに、後半になると前腕がパンパンに張って握力がゼロになる」「核心の一手前でパンプして持てなくなる」――これ、ボルダリングを始めて半年〜1、2年くらいの時期に、ほぼ全員が通る壁です。筆者も当時、ジムの常連さんに「それ、筋力じゃなくて持久力の問題だよ」と言われて、はじめて“前腕持久力”という概念を知りました。今日はその時に教わった基礎トレーニングを、できるだけ具体的な数字つきで紹介します。

そもそも「パンプ」はなぜ起こる?

パンプは、前腕の屈筋(指を握り込む筋肉)が強く収縮し続けることで血流が制限され、乳酸などの代謝物が筋肉内にたまってしまう状態です。登り始めは血流がスムーズなのでパンプしにくいのですが、休憩が足りないまま登り続けると、代謝物を流し切れずにどんどん蓄積していきます。筋力トレーニングで「握力そのもの」を強くするのも大事ですが、半年〜2年目の時期にまず伸ばしやすいのは、この「パンプに耐えながら動き続ける力」=前腕の持久力です。筆者の実感では、筋力より先に持久力を鍛えたほうが、1回のセッションで登れる課題数が明らかに増えました。

前腕持久力トレーニングの基本「リピーター」

前腕持久力を鍛える代表的な方法が、通称「リピーター(Repeaters)」と呼ばれるぶら下がりトレーニングです。ハングボードがなくても、ジムの大きめのジャグやカチホールドを使って代用できます。

具体的なやり方

手順はシンプルです。

1. 両手でジャグ(持ちやすい大きめのホールド)にぶら下がる。
2. 7秒間、しっかり力を入れてぶら下がる。
3. 3秒間だけ力を抜いて休む(足は床につけたまま、腕だけ休ませるイメージ)。
4. この「7秒ぶら下がり+3秒休み」を6回繰り返す(合計60秒)。これを1セットとします。
5. セットが終わったら、3分しっかり休憩する。
6. 同じセットをあと2〜3回(合計3〜4セット)行う。

最初のうちは6回繰り返すうちに後半で握力が切れてしまうと思いますが、それで正常です。「最後まで同じ強度でぶら下がれなくなってきた」と感じたところが、ちょうど良い負荷のラインになっています。

回数・セット数・頻度の目安

半年〜2年目くらいの初中級者であれば、まずは週1〜2回、1回あたり3〜4セットから始めるのがおすすめです。慣れてきたら保持時間を7秒→10秒に伸ばすか、休憩を3秒→2秒に短縮して負荷を上げていきます。筆者は最初の1ヶ月は週1回・3セットから始め、2ヶ月目から週2回・4セットに増やしました。前腕が張って握力が戻らないまま次のトレーニング日を迎えると逆効果になるので、「前回のパンプが完全に抜けているか」を毎回チェックする習慣をつけると安全です。

ジムの課題を使った実践メニュー

リピーターだけだと飽きてしまう、という人には「課題を使ったインターバル登り」もおすすめです。やり方は、普段より1〜2グレード簡単な課題を選び、休憩を極端に短くして連続で登る方法です。

具体的には、簡単な課題を1本登ったら30秒だけ休んで次の課題へ移り、これを5〜6本連続で行います。すべて登り切ったら5分しっかり休んで、もう1セット。グレードを落としているのにパンプで持てなくなる感覚があれば、ちゃんと前腕持久力に負荷がかかっているサインです。筆者の通っているジムでは、この練習を「スタミナ耐久レーン」と呼んで、同じ目的を持つ常連同士でよく一緒にやっています。モチベーションを保つという意味でも、一人でやるより誰かと回数を競い合うほうが続けやすいと感じています。

トレーニング時の注意点

前腕持久力トレーニングは比較的安全に見えますが、いくつか注意点があります。まず、指や前腕に痛み・違和感がある日は絶対に行わないこと。パンプと腱の痛みは別物で、鋭い痛みや関節の違和感を感じたら即座に中止してください。また、トレーニング前には必ず指・手首・前腕を中心とした入念なウォームアップ(軽いストレッチと、負荷の軽いホールドでの保持)を行いましょう。トレーニング直後に強度の高いクライミングを続けると、フォームが崩れて他の部位のケガにつながることがあるため、トレーニング日は「追い込みすぎない登り方」を心がけるのもポイントです。

初中級者がよくやってしまう失敗パターン

筆者が過去にやってしまった、あるいはジムでよく見かける失敗を3つ紹介します。

1つ目は「毎日やってしまう」こと。前腕持久力トレーニングは負荷が軽く感じられるため、つい毎日やりたくなりますが、前腕の筋や腱は回復に48時間以上かかることが多く、休みを入れないと逆に張りが抜けなくなります。2つ目は「保持時間ばかり伸ばして休憩を削らない」こと。負荷を上げたいときは保持時間を伸ばすより先に、休憩時間を短くするほうが効果を感じやすい人が多いです。3つ目は「トレーニングした日にそのままハードな課題に挑戦してしまう」こと。前腕が疲労した状態で無理な課題に取り組むと、保持が甘くなって突然ホールドを弾いてしまったり、着地のバランスを崩しやすくなります。トレーニングをした日は、登る本数を減らすか、グレードを落として「量をこなす日」に切り替えるのがおすすめです。

まとめ

前腕持久力トレーニングは、派手さはありませんが「後半まで粘れる腕」を作るための地味で確実な投資です。リピーターの「7秒保持・3秒休み×6回」を基本に、週1〜2回のペースで無理なく続けてみてください。半年〜2年目の今の時期に持久力の土台を作っておくと、グレードが上がった時に効いてくるはずです。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。実際に技術を試す際は、経験者やコーチの指導のもとで安全を確保して行ってください。

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おやぎ

「おやぎ」こと、ボルダリング歴15年の一般クライマーです。趣味で始めたボルダリングにすっかりハマり、初中級者向けにムーブのコツやジム・ギア情報を発信中。一緒に強くなっていきましょう。

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