「ジムに行くたびに、なんとなく売ってるチョークを買ってるけど、これで合ってるのかな……」そんなふうに思ったことはありませんか?私も最初の1年くらいは、適当に目についたチョークを買って、特に違いも意識せずに使っていました。でも実は、粉・ブロック・チャンク・リキッドといったチョークのタイプごとに得意不得意があって、自分の手汗の量やジムのルールに合わないものを選んでいると、せっかくのホールドを持てるはずの一手を落としてしまうこともあるんです。今日は実際に何種類か使い比べてみた経験も交えながら、タイプごとの違いと選び方を整理してお伝えします。
そもそもチョークは何のために使うのか
チョークの主成分は炭酸マグネシウムで、汗や皮脂を吸収して指先の摩擦力(フリクション)を高める役割があります。ただ「白くすればいい」というわけではなく、つけすぎるとホールドの表面がヌルヌルした膜のようになって逆に滑ることもあります。薄く均一につけて、余分な粉は軽くはたき落とすくらいがちょうどいい、というのが私がジムの常連さんから教わったコツです。
チョークの5つのタイプとその違い
チョークには大きく5つのタイプがあります。それぞれ特徴が全く違うので、順番に見ていきましょう。
粉末(ルースチョーク)
最もオーソドックスなタイプで、チョークバッグに入れて指を軽く浸けるだけで使えます。付けてすぐ効果が出るのが最大のメリットですが、空中に粉が舞いやすいため、最近は衛生面や環境面を理由に粉末タイプの持ち込み自体を禁止しているジムも増えてきました。自分の行きつけのジムのルールを一度確認しておくと安心です。
ボールタイプ
粉末を目の細かい不織布の袋に詰めたもので、袋ごとチョークバッグに入れて指で押さえるようにして使います。粉末そのものを掴むよりも飛散量がぐっと減るので、粉末禁止のジムでも使用OKとされているケースが多いタイプです。私が通っているジムでも「粉はNG、ボールチョークはOK」という貼り紙を見かけたことがあります。
ブロック(固形)・チャンクタイプ
石けんのような固形ブロックを手で崩してチョークバッグに入れて使うタイプと、固形と粉末の中間くらいの「チャンク」と呼ばれる粒状タイプがあります。手になじみやすく、気温や湿度による粉の飛び方のムラが少ないのが特徴です。たとえばFrictionLabsの「Gorilla Grip」はチャンクタイプの代表的な商品で、170g入りが2,750円前後で販売されています。やや高価格帯ですが、グリップ力の持続時間が長いと評判です。
リキッドチョーク
アルコールにマグネシウムを溶かした液体タイプで、手に塗って乾かすと薄い膜ができます。粉が飛び散らないので室内ジムとの相性が良く、特に手汗が多い人には重宝されるタイプです。ただしアルコール成分で手が乾燥しやすく、冬場に使いすぎると指皮が切れやすくなることがあるので、クライミング用のハンドクリームと併用するのがおすすめです。価格帯はPD9の60mLタイプが1,295円前後、GripXの100mLタイプが1,750円前後など、ブランドによって幅があります。
実際に使い比べてみた感想
私自身、国産の東京粉末の「PURE」(135g・1,100円前後)と、海外ブランドのFrictionLabsの「Loose Climbing Chalk」(340g・4,180円前後)、それから国内メーカーのグリーンテクノ21「GRASP」(400g・1,320円前後)の3つをしばらく並行して使ってみたことがあります。
東京粉末のPUREは粒子が細かく、手になじむまでの時間が短いのが印象的でした。価格も手に取りやすく、初めて自分用のチョークを買うならまず候補に入れていい一本だと思います。GRASPはさらに大容量でコストパフォーマンスに優れていて、週に何度もジムに通う人や、チョークバッグの補充用として常備しておくのに向いています。一方でFrictionLabsは粒子が粗めでしっかりとした摩擦感があり、特に汗をかきやすい夏場のセッションで「最後の一手」を持てる粘りを感じました。値段は張りますが、大会前の追い込み期間だけ投入する、という使い方をしている常連さんも見かけます。
ロジン入りチョークは屋外では避けたほうがいい理由
チョークの中には松脂(ロジン)を混ぜて摩擦力を強化した製品もありますが、屋外の岩場でロジン入りチョークを使うと、岩の表面にベタつきが残って落としにくくなり、景観や他のクライマーの迷惑になることが問題視されています。ジムでの練習用と外岩用でチョークを使い分ける、あるいは外岩に行くときはロジン無しの製品を選び、使用後はブラシでしっかり掃除して帰るのがマナーとされています。
初中級者はどう選べばいいか
まとめると、選び方の基準はシンプルです。普段通っているジムが粉末を禁止しているなら、まずボールタイプかリキッドタイプから試してみましょう。粉末OKのジムなら、コストを抑えたい人は国産の粉末タイプ、手汗が特に多くて悩んでいる人はリキッドタイプ、グリップ力を重視したい人はチャンクタイプ、というふうに自分の悩みに合わせて選ぶのがおすすめです。
いきなり大容量を買うのではなく、まずは小容量パッケージやジムの売店で売っている単品で試してから、自分に合うタイプを見つけていくのが遠回りにならないコツだと思います。私も最初から大容量ボトルを買って持て余した経験があるので、これから選ぶ方にはぜひ小さく試してから決めることをお勧めします。